本日は若い後輩とともにクルマを飛ばし、一般道を2時間かけてやってきたのは福岡県の南に位置する久留米市。久留米市は福岡県第三の都市で、松田聖子やチェッカーズ、鮎川誠など数多くの芸能人を輩出し、また世界に名だたるブリヂストンの創業の地でもあります。
そして、忘れてはならないのがとんこつラーメン発祥の地であること。
そしてそして! きょうお邪魔するのがそのとんこつラーメン発祥の店である南京千両なのです。いやー、一度来てみたかった。
ちなみに、同市内にもう一つ南京千両というお店がありますが、あくまで本家は今回のこちら。
到着したのは開店時間を15分ほど過ぎた午前11時15分。店先の駐車スペースに車を停め、ずずいと入店。
先客がお二人、カウンターで早々とラーメンを食べていらっしゃいます。
ほほう、これがとんこつラーメン発祥の店か(ホントの創業時は屋台が始まり)。
なんかラーメン店らしからぬ内装、調度品だなぁ。
私はラーメンとギョーザとご飯がセットになったBセット、連れはギョーザセットを注文。しばし待ちます。
さて、とんこつラーメンが誕生したのは昭和12年の春。
南京千両の創始者が、横浜の南京街(いまの横浜中華街)で支那そばというものが流行っていると聞き、現地へ飛んでその作り方を覚えて久留米へ帰郷。さらに、長崎県出身でもあったことから長崎ちゃんぽんのスープからもヒントを得てとんこつラーメンの原型を考案したそうです。
南京千両という屋号は、前述の南京街そして縁起の良い千両という言葉を組み合わせたとのこと。いまでは全国どこでも食べることができるとんこつラーメンも、このようにして誕生したとは私も初めて知りました。
そうこうしているとラーメン到着。
具材はネギ、シナチク、海苔、そして刻みチャーシュー。シンプルな出で立ちです。
どれ、さっそくスープから。
ずずずズイズイず。
まったくギトついておらず、さらりとしたスープ。かといって薄味すぎるということもなく、それなりに塩分を感じます。
粘度の高いギトギトコテコテが久留米ラーメンと思っている人が少なくありませんが、久留米出身の知人に言わせるとそれは大きな誤解で、昔からあるガチの久留米ラーメンはさらっとしたスープが基本とのこと。彼曰く、濃厚さを売りにした久留米ラーメンをうたう後発のラーメン店が台頭、いつしかそれが浸透し「久留米=濃厚」と思われるようになったのではないか、と。
さて、お次は麺。
これがまた特徴ある麺。太めの縮れ麺なのです。
ズズズーっと。
とんこつでこの麺はなかなか経験がありません。みそラーメンなんかによくある麺を想像してもらえばよろしいかと。
味は普通にうまいですが、とんこつで食べるとどうしても違和感が。
チャーシューは細かく刻まれたもので、特筆すべきところはなし。
一度は食べてみたかった南京千両。
正直申しまして、そこまでうなるものはありませんでしたが、とんこつラーメンの始祖としてこれからも末長く続いてほしいと願います。
ごっつぁんでした。