本日のお昼はドライブを兼ね、大分県速見郡日出町の日出城三ノ丸跡にたたずむ的山荘(てきざんそう)へとやってまいりました。
お気に入りの温泉がある日出町にはよく訪れますが、こちらに伺うのは今回が初めて。かくも豪勢・優雅な昼メシ、いや昼食にありつける機会はそうそうありません。
的山荘はもともと料亭ではなく、大正四年、大分県杵築市山香町の「馬上金山(ばじょうきんざん)」の経営者で巨額の富を築いた成清博愛(なりきよひろえ)の別邸として建てられたもの。
別府湾を一望する約3,670坪の広大な敷地に、玄関の式台や床、書院などの座敷飾り、欄間彫刻など、江戸時代以降の伝統手法を残した近代和風建築の豪華な日本家屋、そして別府湾や高崎山を借景とした見事な庭園が広がります。
営業はお昼の部と夜の部があり、今回はお昼の懐石をいただきます。
3,300円と5,500円(お高い方は要事前予約)のコースがありましたが、ここは奮発してお高い方をチョイス。
※ 価格差による内容の違いは、品数自体や一皿当たりの分量が少なくなるとのこと。
大広間に通されると、畳の上にテーブルと椅子が並びます。あぐらをかくのも疲れる今日このごろ、これは大助かりです。
床の間には書や壺が並び、屏風もびっしり。大きな文字で「國本」とあるのは、なんと初代内閣総理大臣でもある伊藤博文の直筆によるもの。
さて、懐石ですから一品一品順番に提供されます。
まずは、先附(さきづけ)。
豆腐、いくら、山葵(わさび)など。
続いて前菜。
合鴨の味噌漬けや子持ち昆布ほか。
椀物は鰆(さわら)、大根、短冊人参。
お造りは鯛、カンパチ、甲烏賊。
蓋物(ふたもの)は鯛。
台物(だいのもの)は、大分和牛のしゃぶしゃぶ。
油物(天ぷらですね)は鯛、椎茸、青唐。
ご飯物は、大分県産ひのひかり。
香物(こうのもの:漬け物のこと)に、留椀(とめわん)は赤出し。
最後にデザートは苺、梨、オレンジでした。
いやもう、全部が全部うまいことうまいこと。
料理もさることながら、この建物とこの景色。すべてが調和して、素晴らしい時間と空間を演出してくれました。
今回は提供されていませんが、的山荘では日出町で獲れる城下かれいをはじめ、関アジ、関サバなどもいただくことができるとのこと。
また、広大な庭園も無料にて見学可能。
現在の料亭としての的山荘は昭和39年、成清博愛の孫にあたる成清信輔氏が開業したとのことで、城下かれいの料亭として全国的にその名が知られるようになり、皇族をはじめ多くの著名人が訪れるようになったそうです。正面の門から玄関に至るアプローチには、皇族方による8本もの記念植樹があります。
普段はうどんやラーメンばかりの私ですが、きょうの食事は思い出深い、忘れられないものになりました。
ごっつぁん….
ではなく、
きょうだけは、お御馳走様でした。