今回は、大分県豊後高田市の「昭和の町」を見物してまいりましたのでご紹介します。
「昭和の町」とは、ここ豊後高田市が町おこしの目玉として2001年に始めた観光振興策です。
同市は、昭和30年代あたりまで国東半島エリアの玄関口として大いに栄えたところで、町の中心地には縦横無尽に商店街が広がっていました。
しかしながら、時代の移り変わりとともに周辺の人口は減少し、あれほど隆盛を極めた商店街も衰退。一つまたひとつと店は畳まれ、そのままの姿で残されたそうです。
豊後高田市はそれを逆手に取り、ほぼ当時のまま残されていた商店を再生させ、昭和30年代の活気と賑わいある商店街を再現し、温かくも懐かしい雰囲気に浸ることのできる町を作り上げたというわけです。
また、ボロボロとなっていた車体をレストアした昭和32年式のいすず製ボンネットバスは、日曜、祝日を中心に昭和の町周遊コースを無料で運行しています。
観光の目玉は大きく分けて二つ。
一つは、駐車場側にある「昭和ロマン蔵」。昭和10年代に建てられた農業倉庫を改装し、さまざまなゾーンを作り展示しています。
「駄菓子屋の夢博物館」では、かつて子どもたちを夢中にさせた駄菓子やおもちゃなど、40万点の所蔵の中から選りすぐりの6万点を常時展示。
「昭和の夢町三丁目館」では、昔懐かしい昭和を代表するような家屋や教室を再現。
ほかにもレストランや自動車の屋外展示などがあります。
二つめは、冒頭ご紹介した町の商店街。
復活した店舗だけでなく、当時から営業しているお店もあります。それぞれの店舗では、お店の歴史を物語る“一店一宝”の展示や、お店に代々伝わる“一店一品”の販売を行っています。
私が訪問したのは平日の午前中。さすがにお客さんは少なかったのですが、インバウンドの観光の人たちを乗せたバスが3〜4台来訪していました。
「昭和の町」は、「2017年アジア都市景観賞」を受賞したとのこと。「2017年アジア都市景観賞」とは、アジアの人々にとって幸せな生活環境を築いていくことを目的に、アジアの優れた景観をアピールし、他の都市の模範となる優れた成果をあげた都市・地域・プロジェクト等を表彰するもの。
コロナ渦以降、失った客足を取り戻すことはなかなか大変なことかと思いますが、これからも地域の活性化に頑張っていただければと願います。