好天に恵まれた休日のきょうは、北九州発祥のどトンコツラーメン店・魁龍博多本店へとやってまいりました。先般、同店の小倉本店へお邪魔したのですが、その際博多にもお店があることを知り、しかも博多本店(本店を名乗る店舗が二つあるのもよく分からんが)の店主がそもそもの創業者かつユニーク極まりない人物らしいことを聞きおよび、これは是が非でも行かねばなるまいとやってきた次第。
現在、当方のクルマが長期入院中のため電車に揺られることおよそ2時間、最寄駅から20分歩いてやっと到着。いくら休日とはいえ、なんたる暇人か。
場所は、福岡空港国際線ターミナルそばの国道3号線沿。ちょうどお昼時の訪問でしたが、お客さんは半分程度の入り。
私が入店時、ドアが閉まる際に思いのほか大きな音がしてしまい、その音にまるでコントのようにビクンッ! と、体を震わせて驚いている名物店主を視認。オレンジのTシャツがイカしてます。第一種接近遭遇*1です。
Googleマップのクチコミによれば、こちらの店主は「ずんだれ(九州地方の方言で“だらしない”の意)」と名付けられた柔めの麺上げを、これでもかと客に推奨してくることで有名な模様。
入店した私も、店主自ら手招きされカウンター先に着席。
さぁ、着席と同時に店主によるずんだれ推しタイムの始まり! なお、以下の店主トークに基本的に脚色はありませんよ。
では、スタート。
うちはずんだれという柔めの麺上げがオススメ、柔めといっても伸びてる麺じゃない、麺の旨みが一番感じられる状態なんだよ。
カタやバリカタは単なるカッコつけ、あれは店側の手抜きによる失敗麺、ラーメン食べてお腹壊すっていう人いるけど、ちゃんと茹でてないからお腹壊すんだ。
だいたい初めての店でいきなりカタなんて注文ありえないよ、だって普通でカタめで出てくることだってあるんだから。カタめが合う麺もあるにはあるよ、でも何でもかんでもいきなりカタじゃないだろう。
うちの麺はまずはずんだれを食べてもらって、替玉のときに普通とかカタにして食べ比べてみてね〜。
とまぁ、こんな感じのマシンガントークが炸裂!
私は一人客だからか最初の一巡だけで終わりましたが、数人連れの客には注文のとき、配膳のとき、替え玉のときとほぼ同じ話をフルオート連射。さっき聞いたばかりのトークがあちらのテーブル、こちらのテーブルで打ち上げ花火のように聞こえてきます。もはや壊れたレコードプレーヤー。半ば、いや完全にずんだれの強要です。(笑)
でもね、「ずんだれ=だらしない」なんです。言ってみればディスり言葉ですよ? まぁ、インパクトがあるフレーズを使いたかったんですかね。
そろそろ辟易してきたところでラーメン到着。
では、店主のずんだれトークは横に置いといて、まずはスープから。
ズズ、ズズズ、ずー。
やはり小倉本店同様、舌にザラつきを感じるこってりスープですが、嫌な脂のギラつきは感じません。ただ、小倉本店よりもやや塩分が強い気が。
お次は麺。
ずるズルず、ズズー。
おや? 小倉本店より気持ち太め? 気のせいかしら。
しかし、ずんだれといっても特別柔らかいわけでもなければデロデロでもない。これくらいが私にとって普通ですし、うまいです。ちなみに替玉はしませんでした。
チャーシューは脂身が少ないタイプで、これも好み。
Googleマップのクチコミにあった店主のずんだれトーク、少しオーバーに書いてあるんじゃないかと訝しんでいましたが、これがまぁクチコミのまんま。あれを開店から閉店まで、フルパワーで演じているとしたら相当な熱量です。
しかし、そこまでずんだれを推すんなら、なんでお客に麺の硬さを聞くのかと。ハナからうちは麺の硬さ指定には応じていないと断言しない理由は何なのか? もしかしたら、あえて食べ比べさせてずんだれの素晴らしさを広めようとしているのか?
私は、店主の話に同意です。
どんな麺、スープだろうがとにかくカタメン、バリカタ至上という現代のおかしな認識に一石を投じる貴重なラーメン店主さんであることは間違いありません。
しかしながらいかんせんトークを乱発し過ぎだし、それが気になって肝心のラーメンの味を楽しめなかったのが残念。
とはいえ、あれがお店のエンターテインメントのひとつなんでしょうから、逆に楽しむくらいじゃないといけないのかもしれません。
ごっつぁんでした。
※ どトンコツステッカーは、現物がイマイチだったので購入に至らず。