きょうはどこへ行こうか

ばるすーでGO!

クモノウエ(北九州市八幡西区)

 本日は曇天の中、職場の同僚Hとともに外回り。となれば、普段はなかなか行く機会のないお店で昼メシと洒落込みます。
 やってまいりましたのは、北九州市八幡西区にあるラーメン店・クモノウエ。すでに屋号がかなりアレですが、ここもいつものラー友Yから聞いていたところ。残念ながらここもすでにYは実食しているらしく、一体いつになったら奴を出し抜ける日がくるのか。
 ちなみに、こちらは佐賀ラーメンというのをウリにしているようなのですが、その佐賀ラーメンとやらがどんなものなのか、正直よく分かりません。

ラーメン店らしからぬ外観



 仕事で停めた近くの駐車場からはほど近いので、そのまま歩いてお店に向かいます。
 Googleマップが示す場所に近づいてみるも、ラーメン店らしき出立ちの建物は見当たりません。なにやら倉庫っぽいものがポツリ。看板を見ると、どうやらここのようです。

 ガラリと戸を開け中へ入ると、注文は券売機で購入する模様。お金を入れようとすると店員さんがやってきて、券売機の説明は大丈夫か? と言います。
 
 説明は大丈夫か?

 券売機にわざわざ説明が必要なのか?

 何が大丈夫なのか大丈夫じゃないのか、さっぱり分かりません。

 思わぬトラップがあってはいけないので話を聞いてみると、替玉はないのでたくさん食べる人は大盛券を購入してくれとのこと。
 ああ、これは福岡で食べる豚骨ラーメンのある意味弊害ですね。
 豚骨ならどこであろうと替玉があると盲信している客への警鐘ですよ、これは。

 豚骨ラーメン = 替玉、絶対ある

 これ、不文律ではありませんからね。
 そこまで言わないと後々トラブルになるかもしれないお店に同情します。

豚骨ラーメンでも替玉がないことも普通にある



 はて、ここでメニューボタンの中にタカライスなるものを発見。タカナライス(ごはん)のことかなと思いつつ尋ねてみると、店主の名前にちなんで品名をもじったタコライスとのこと。

 ……。

 タカライスに手を出すのはやめ、私は特製ラーメン(チャーシュー2倍+卵黄)の大盛、ツレはお店おすすめのクモノウエラーメンをチョイス。席に座ってしばし待ちます。

外観同様、ラーメン店らしからぬ店内



 店内は広くかなりのキャパで、軽く25人以上はいけます。壁の飾りはアメリカンフィフティーズの世界一色。こうなればBGMも当然1950年代のアメリカ音楽。我々の来店時は、ビル・ヘイリーのロック・アラウンド・ザ・クロックが流れまくっていました。
 店主はビシッとキメたリーゼントに黒いロカビリーシャツ。店主のこれ以上ないこだわりが感じられ、黒は黒でも私が苦手なイマドキ豚骨*1店のような黒Tではないのでヨシとします。(笑)

 さて、肝心のラーメンがやってまいりました。
 さっそく食い散らかしましょう。

まん丸とした卵黄がアクセント



 見た目は普通の豚骨。奇をてらったようなところは見受けられません。

 まずはスープから。

 ズズズのずいずい。

脂ギッシュなスープ



 お、味自体は変な角がなくイニシエ豚骨*2のもの。んが、脂が強いですね。結構強い。なんというか、口の周りにまとわりついていつまでも残る感じ。

 お次は麺。

 ズルズズルずのズ。

(写真上)不覚にも割ってしまった卵黄 (写真左下)ツレがくれた海苔



 中太ストレート麺でこれはうまい。硬さ指定も聞かれなかったのでデフォルトのままですが、少し柔めでこれまたヨシ。しかし、これはカタメン教の人たちには許せない柔さでしょうね。これくらいが一番うまいのに。

 ところで、卵黄をいつどうやって食べるか事前に悩んでいましたが、撮影のために麺上げだなんだとあれこれやっているうちにうっかり箸先が卵黄を直撃、あっという間に身がスープに溢れだすと同時に私の涙も溢れでました。

在りし日の卵黄 



 味自体に変なアタック感もなく悪くないし麺もうまいのですが、いかんせんスープの脂がきつく、食べてる間ずっとお冷とナプキンが手放せませんでした。ツレもまったく同じ感想でしたから、そういうことなのでしょう。
 風変わりなお店でしたが、店主の趣味がそのまま自身の商売に繋がっていて、ちょっと羨ましく思いました。

 ごっつぁんでした。



*1:黒T、バンダナ、腕組みという三種の神器を持つラーメン店が提供する豚骨ラーメン。脂多めで強目の味であることが多い。麺の硬さを聞いてくるのが特徴

*2:白い料理人服、店主が無愛想、創業40年以上という三種の神器を持つラーメン店が提供する豚骨ラーメン。角がとれた奥深い味であることが多い。麺の硬さは聞いてこない。まれにイマドキ豚骨店がこの白装束スタイルを取り入れ、偽装していることがあるので注意が必要