きょうはどこへ行こうか

ばるすーでGO!

大竜軒(北九州市門司区)

 つい一ヶ月ほど前に修理したばかりのクルマのエアコンが、半月と持たずに再びダウン。前回の修理時、奇跡の新品コンデンサーを手に入れ、これで向こう10年安泰かと思われた矢先のバッドな出来事。コンプレッサーは回れど、一向に冷気を発生してくれません。昭和63年式のクルマのエアコンですから、どこかを直せばどこかが壊れる。まさにイタチごっことはこのこと。やむなく再度のドック入りです。

 午前中のうちに贔屓のショップにお預けし、さて昼メシはどうしたものかと思案。故あって一度行っておかねばならないラーメン店を思い出したので、電車に乗ってすっ飛んで行きます。

古めかしい歴史ある佇まい 



 やってきたのは北九州市門司区にある大竜軒。このあたりでは名の知れた人気店です。場所は、JR門司駅から徒歩5分といったところ。
 開店時間である午前11時ちょい過ぎに到着。一番乗りだろうとタカをくくって悠々と入店したところ、なんとすでに8割方の席が埋まっているではありませんか。なんという人気ぶり。ご近所さんと思しき爺さまは、この時間からビールをかっ喰らってたいそうご機嫌です。

なぜ「らーめん」なのか。ラーメンでよいではないか



 店内はカウンター席10席、4人掛けの小上がりが二つ。
 お店の詳しい歴史は知りませんが、ガチの昭和感漂うイニシエ豚骨*1店の趣き。中年の店主とその奥さんらしき女性、そして年配女性の3人オペレーションでやっているようです。
 それはいいとして、カウンター席の間隔の狭いこと狭いこと。両隣の人との距離はビッチビチです。まぁ、致し方ありません。

スープの味が変動するとの注意書き 



 さて、初見の店で大盛などという大冒険はやめ、普通にラーメンのみを注文。

 しかし、ここで予想だにしない出来事が。

 なんと、お店の奥さんが「麺の硬さのご希望はよかったですか?」と。


 な、なん……だと?

 
 このイニシエ感満載の店で、麺の硬さ指定をあろうことか店側から聞いてくる……だと?

 この時点で私の大竜軒に対する評価はダダ下がり。まだ食べてもいないラーメンの味も、色眼鏡で見てしまいかねません。

 不安が駆け巡ったその直後、案の定、店のあちらこちらから狼煙(のろし)が上がります。


 あっちで「カタ!

 こっちでも「カタ!!

 果てはお隣が「替玉、バリカタ!!!

 と、トドメの一撃。



 イニシエ店らしからぬまさかの


 カタ連呼!

 カタ大合唱!

 

 もう、注文したラーメンをキャンセルして一刻も早くこの場から立ち去りたい気分!
 
 大竜軒に対する私の期待は完全に裏切られました。いや、肝心のラーメンをまだ食ってないけども(笑)

 今さらどうすることもできず、仕方なく泣きながらしばし待ちます。

らーめん(ひらがな) 



 そして、やってきましたラーメン。
 具材はネギ、もやし、海苔、チャーシュー2枚。
 
 では、涙を拭きながらスープから。

すーぷ(ひら...以下略)



 ズズズのずいと。

 見た目どおりのコッテリ具合。少しばかりとろみもあります。これは確かに丁寧に作ってある。業務用のそれとは明らかに異なります。味は、博多寄りのスープに近い感じ。

 お次は麺。

めん 



 ずるずるずーのズールずるー。

 中細麺とも言うべき、私の好みのちょうどよい麺。普通で頼んだ硬さもヨシ。

からしたかな 



 無料の辛子高菜もおいしくいただきました。

 スープの感じといい替玉や辛子高菜があることといい、北九州というより博多系ラーメンといった印象。

のこりもん 



 隣の20代と思しき若者2人曰く、最近は辛子高菜置いてないラーメン屋が多いよねー云々。いやいや、北九州じゃ置いてある方がよほど少数派じゃね? 少なくとも、昭和の時代からある老舗店じゃ普通置いてないけどね。

 ラーメン自体はそれなりにおいしくいただきましたが、見た目はイニシエ店のようで実はイマドキ豚骨*2な雰囲気に終始調子が狂いっぱなしでした。再訪はないでしょう。

 ごっつぁんでした。

 

 

 

*1:白い料理人服、店主が無愛想、創業40年以上という三種の神器を持つラーメン店が提供する豚骨ラーメン。角がとれた奥深い味であることが多い。麺の硬さは聞いてこない。まれにイマドキ豚骨店がこの白装束スタイルを取り入れ、偽装していることがあるので注意が必要

*2:黒T、バンダナ、腕組みという三種の神器を持つラーメン店が提供する豚骨ラーメン。脂多めで強目の味であることが多い。麺の硬さを聞いてくるのが特徴