きょうはどこへ行こうか

ばるすーでGO!

圭順(北九州市門司区)

 本日は朝から結構な雨模様なれど、火急の用に迫られツレと二人で午前中のうちから急ぎ外回りへ。ところが、肝心の要件はあいにく不首尾に終わり、ただただ疲弊感だけが残る残念な展開に。このままでは午後からの仕事にも差し障ります。ここはひとつ帰りしなにうまいラーメンでも食べて、気分を変えて事務所に戻ることにしましょう。 

やはりラーメン店の前にはお約束の自転車が



 んで、やってまいりましたのは北九州市門司区にあるラーメン店・圭順です。私がこちらにお邪魔するのは、おそらく15年ぶりくらい。ツレは初めての訪問です。
 場所は、JR門司駅から徒歩で10分程度のところ。付近は平屋の木造建築物が数多く残る、実に古めかしいエリア。おそらく昭和30年代あたりまでは、たいそう賑わっていたのではないかと思しき雰囲気です。付近のコインパーキングに車を停め、いざ。

 黄色地にシルバーの刺繍で屋号が刻まれる


 
 ラーメン店にしては珍しい黄色の暖簾をくぐります。
 壁に掲げられたメニューを見るとラーメン、ごはん、おにぎりとこの上なくシンプル。私は大盛、ツレは普通を注文です。
 店内を見渡すと、ラックにはやたらと写真週刊誌が並び、カウンター上にはいぶし銀の雰囲気を醸し出す年季の入ったデカい招き猫がでんと鎮座し、ひときわ目を引きます。ツレは二匹の猫と暮らしている大の猫好き女子ですが、そんな彼女がこの招き猫を見てひとこと「可愛くない……」とボソリ。確かに白い(金色?)はずの身体の色もくすみ、なかなかの迫力ではあるけれども……。
 ちなみにこの女性、当ブログの熱心な読者でもあり、店に入って大将の出立ちを見るなり小声で私に「白い料理人服着てますよ(笑)」と、すでに私と同等かそれ以上のラーメン心眼をお持ちです。

(右)メニューはシンプルなことこの上ない



 お世辞にもきれいとは言えない店内は昭和感むき出しで、大将の白い料理人服もイニシエ豚骨*1の名にふさわしい堂々たるもの。むしろ現代の薄型デジタルテレビの方が違和感大な空間です(物件自体は相当な年季ものですが、当店としての開業は2004年らしい)。
 そんなテレビに映し出されるお昼のワイドショーのバカ騒ぎを眺めていると、やってまいりましたラーメン。
 ほほう、こんなだったかな、覚えてないや。

 では、いただきます。

 ラーメン(大盛)



 まずはスープ。
 
 ず、ず、ず、ずーー。
 
 脂のキツさこそありませんが塩味は効いています。あっさりな見た目に反して、ひと口目からパンチはなかなか。

 適度な濃さのとんこつスープ



 お次は麺。
 
 ズルズルズルのずっずっずー。

 中細ストレート麺でうまい
 
 この麺はいいです。

 この麺は確かにうまい



 ただし、残念なことに具材はご覧のとおり。小さなチャーシュー2枚と海苔1枚、ネギがぱらり。ここまでシンプルなルックスもなかなかお目にかかれません。
 ツレの普通盛はお盆の上にドンブリが乗っており、なみなみとつがれたスープがこぼれています。なにもそこまで注がんでもええがな(笑)。

 こぼれたスープ。わざとこうしている模様



 ひとしきり食べ終えて味には概ね満足しましたが、具材の寂しさからかどこか満足感がスポイルされた気がするのもまた事実。しかしながら、そんな思いすらすべて吹き飛ばす実に素晴らしいことが!
 我々が来店している間、そもそも店が麺の硬さオーダーを聞かないし、なにより客も誰一人としてカタメン! バリカタ! などと声をあげる者がいなかったこと。そんな店主と居合わせたお客人たちに乾杯です!

 ごっつぁんでした。



*1:白い料理人服、店主が無愛想、創業40年以上という三種の神器を持つラーメン店が提供する豚骨ラーメン。角がとれた奥深い味であることが多い。麺の硬さは聞いてこない。まれにイマドキ豚骨店がこの白装束スタイルを取り入れ、偽装していることがあるので注意が必要