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崎山駅(福岡県京都郡みやこ町)

 木造駅舎を訪ねる旅、今回は平成筑豊鉄道の駅のひとつ、崎山駅です。もともとは、国鉄田川線の崎山信号場として昭和29年に営業を開始。その2年後の昭和31年には旅客駅へと変更になっています。ホームは2面2線。

駅舎全景。煙突と木枠のガラス窓が時代を感じさせる。壁面の痛みも激しい



 正面に向かって右側が最初からあった信号所の建物。左側がのちに増設されたであろう駅舎。駅舎の建物財産標は、残念ながら見当たりません。
 駅舎前の階段は、当初のものは一段当たりの段差があまりに激し過ぎたようで、中央部にあとから段数を増やして設置したように見えます。

 駅浴場と建物財産標。浴場の隣には古井戸




 本屋の隣には、浴場と書かれた小さな建物。昭和の駅員さんたちは、ここで蒸気機関車が吐く黒煙とすすにまみれた体を洗い流したのでしょう。

 (右)駅窓口跡の内側。壁には古い小さな鏡が残されたままだった



 待合室には、地域の人が寄付したのか冊子が少々。

 ホーム脇には石灯籠が残る小さな池の跡




 ホームには、かつては水を湛えていたのか小さな池の跡が残っています。田舎の古い駅には、こういうちょっとした憩いというか、遊び心がありましたね。

 (左)行橋駅方面 (右)直方駅方面。写真右の木製電柱には昭和29年の標識があった



 ホームは、こんな田舎の駅には似つかわしくない長大なもの。かつては大編成の客車が運用されていたことが偲ばれます。今は一両編成の気動車が停車するのみ。 

 水戸岡鋭治氏によるデザインの観光列車「ことこと列車」



 ちょうど駅を訪れていたときに、レストラン列車「ことこと列車」がやってきました。これは、平成筑豊鉄道が休日を中心に運用しているもので、通常ダイヤよりもゆっくりとした速度で「ことこと」と沿線を走り、車内では食事やスイーツを楽しむことができる観光列車です。お値段は結構なものですが、かなりの人気で予約もなかなか取れないようです。


www.heichiku.net


ホームの先にも桜の木 



 駅舎のすぐ横を流れる今川沿いは、桜並木が延々と続いています。残念ながら、車を停められそうなスペースを見つけられなかったため写真を撮ることができませんでしたが、訪問した日も桜が満開。
 4月の柔らかな日差しと気持ちのよい風に吹かれて、とても穏やかな風景を満喫できました。