きょうはどこへ行こうか

ばるすーでGO!

呼野駅(北九州市小倉南区)

 前回ご紹介した石原町駅のお隣にある呼野駅。木造駅舎のご紹介といいながら、ここに駅舎はありません。正確には、石原町駅と同じタイプの大正4年竣工の木造駅舎が存在したのですが、1990年代に取り壊され現存しません。

ホームの待合場所が駅舎を兼ねている 



 現在は、上下線を兼ねたホームが一本と寂しい限り。旧ホームとかつての路盤は荒れ放題で、雑草が生い茂るのみ。

旧ホームとかつての待避線跡



 この駅の特徴は、1980年代まで福岡県で唯一のスイッチバックが存在したこと。
 北九州側からやってきた列車は、ここから田川方面に向かって最大17‰の上り勾配を進まなければなりません。現在の電車や気動車と違い、単機ならともかく客車や貨物を引いた当時の蒸気機関車では容易に登れる勾配ではなかったのでしょう。
 そのため、駅に停車した下り列車はそこからいったん400メートルほど北九州方面に後退し、スイッチバック用の路線に退避。そこから加速して登って行ったというわけ。
 私自身、このスイッチバックの現役当時の様子を見たことがないのが至極残念。

(左)駅からの景色  (右)16‰を示す登り勾配標 



 下のマップを航空写真に変更し、地図の上方向を見ると左にカーブした当時のスイッチバック線が確認できます。