今回お邪魔するのは、令和3年3月〜6月の3ヶ月間という期間限定でJR博多駅の在来線ホーム上の店舗で営業していた塩、醤油、味噌ラーメンを提供する明鏡志水(めいきょうしすい)です。
駅ホームでの期間限定営業を終えたのち、その高い人気から同年9月に同じく博多駅ビル地下1階の飲食店街に固定店舗として再オープンしたという経緯があります。
実は私自身、駅ホーム時代に食べた際あまりのうまさに感激し、その短い限定期間内に5回くらい伺ったほど好きなお店だったというわけです。
移転した現在のお店は、何度か足を運んだことはあるもののいつも行列で、またにするかと結局食べずじまいのままでした。
これまでそんな感じでしたので、あまり足が向かうこともなかったのですが、お昼時にふらりと立ち寄ったきょうは待ち人ゼロ。アレ? と思いながらもこりゃラッキーと入店します。お客さんの入りは9割ほど。カウンター、テーブル席ともほぼ埋まっています。
カウンター席に案内され、迷うことなく塩ラーメンをオーダー。しばし待ちます。
店内はジャズ音楽が流れ、間接照明的な感じでどこかシャレこくっています。夕方以降は、本格的にお酒もいただけるお店になるとのことなので、そんな雰囲気なんでしょうね。
そうこうしているうちにやってまいりました、淡麗塩(ラーメン)。
麺を幾重にも折り返し、見た目にも随分とこだわっている様子が伺えます。
ん? 刻み海苔がのっているな。これ以前からあったかな? まぁいい。いただきます。
ズーズーズーのずるりんぱ。
うむ、うまい。
鳥チャーシューはモモとムネの2種類あり。
麺も柔らかめでつるつる。
スープは上品で出汁が香るな。
ちょっと薄味だけど。
アレ?
うまいんだけど、こんなだったか?
いや、絶対違うよな。
あのホームで食べたときの味の感動というか、
食べてる最中から「次もまた食べたい!」と思った、あのときの
感覚がまったく湧き上がってこない。
なんで?
当時の味の記憶とリンクしないまま、久しぶりのラーメンに首を傾げながらも完食。
お店を後にしました。
グーグルマップの店舗に対するユーザーコメントを見ると、ホーム時代と現在を食べ比べて私と近しい感想を書いている方がちらほら。それを見たとき、自分だけの思い違いではないことを確信しました。
私自身プロの料理人でもなんでもないんで、当時と今、具体的に何がどう違うのかと問われても答えようがありません。だがしかし、当時とは違うのです。それも、自分にとっては残念な方に違う。
少し前にラー友Yにこのお店を紹介したとき、かなりうまいよと喧伝していたのですが、後日、実際に足を運んだ彼から散々こき下ろされました。(笑)
もともと彼の舌に合わなかっただけかもしれませんが、彼曰く「上品すぎる。あれはラーメンではなく和風だしを使ったラーメン風食べ物だ」と。
そのラー友Y言葉、今回自分が実食したことで胸に落ちました。
もっとも、こちらのオーナーシェフはもともと和食界で名高いお人なので、それも正解っちゃあ正解ですけどね。
(追記)
この記事は、昨年末に訪問した際のことを書いたものですが、実は1月の半ば過ぎに現地を訪れる機会があったので様子を伺ったところ、前回と同じお昼過ぎの時間帯でしたがさらにお客さんが減少していました。
これは、味のテコ入れをやらないと結構ヤバいんじゃないかなぁ……。