こちらは、北九州市若松区の北九州港にある通称「軍艦防波堤」。太平洋戦争終結後、生き延びた日本海軍艦艇はその多くが連合軍への引き渡しや解体処分とされましたが、いくつかのものは護岸整備の一環として防波堤に利用されたそうです。
そして、その防波堤として活用され、ここ若松区で今もその船体の一部を見ることができるのは駆逐艦「柳」(1917年竣工)とのこと。
船体は、半分以上がコンクリートに埋没しており、内部には土砂が詰め込まれています。露出した金属は長年の潮風に削られ、完全に錆びきった状態です。現在も船体の一部を見ることができるのはこの「柳」のみですが、柳と一直線上に並んだ体形で「涼月」「冬月」という2隻の駆逐艦も完全にコンクリートに埋没した状態で残っているそうです。(この2隻は太平洋戦争末期、戦艦大和による沖縄水上特攻へ共に参加し、沈没を免れ帰投したもの)
私が初めてここを訪れたのは30年以上前のことですが、そのころは船体の状態も今より若干(ホントに若干ですけど)よかったように思います。時間の経過による風化や大きな台風の影響などで崩壊が進み、現在はコンクリートで船体周囲を補強しています。
近くまでは、公共交通機関として路線バスがあるにはあるのですが、本数が絶望的に少ないためとても一般的とは言えません。車で向かうのが現実的でしょう。
現地は周辺を含めて埋立地で、工場が立ち並んでいます。車の通行量自体は少ないですが、大きなトラックやトレーラーが行き交いますので、運転にはお気を付けて。