前回、日出町の暘谷亭で激ウマちゃんぽんを食べて満足し、その足で向かうはJR別府駅前にデンと鎮座する駅前高等温泉です。
こちらは、なんと大正13年(1924年)に建てられた施設でおよそ100年前のもの。もちろん現役で、多少手は入っているものの基本的には当時のまま。
以前から気にはなっていましたが、今回が初めての訪問です。
「高等温泉」というネーミングの意味ですが、ネットを見ると「高等湯(熱い湯)」が出るからというものと、シャワーがあるからというものがありました。
時代背景を勘案するになんとなく前者のような気もしますけど、訪問時に番台の兄さんに正解を聞けばよかったと後悔。
営業時間は朝6時から深夜24時で、入浴料は大人250円。
男湯と女湯それぞれに「あつ湯(43〜44℃、弱アルカリ単純泉)」と「ぬる湯(40〜41℃、中性単純泉)」があるとのこと。
いやいや、いくらなんでも44℃は熱すぎだろう、迷わずぬる湯一択! と思いきや番台の兄さんから、きょうはぬる湯が信じられないくらい熱く、一方あつ湯はベストな温度とのお言葉。結果、あつ湯でぬる湯を楽しむという何やらややこしい状況に。
券売機でチケットを購入し脱衣所へ。
エアコンは見当たらず、扇風機がひとつクルクルと回るのみ。窓は開け放しです。
湯船を見て、たまらずひと言「狭っ!」。
半円形の小さな湯船がポツン。
ずいぶん前のことですが、箱根にある明治期だったか大正期だったかに建てられたお宿の風呂もまさしくこんな感じでした。当時の風呂はみんなこうなんでしょう。
階段を下っていざ湯船へ。
おおう、茶褐色の湯で底が見えません。
手すりや段差は設けてありませんから、まずはヘリに腰掛け、慎重に深さを探りながら身を沈めます。
あ、底に足がついた。結構な深い造り。
ケツを底につけると両肩が完全に湯に浸かります。小さな子どもが座ることはまったく不可能。
バリアフリー?
ナニそれ? 聞いたことない。
半身浴がしたい?
そんなの無理ムリ!
人にまったく優しくない造りです。
湯船に入るのも出るのも大またぎ。
湯船は大人5人で結構カツカツ。見知らぬおっさん同士6人となると、気まずさと微妙な距離感でもうお腹いっぱい。
途中、地元と思しき人がお一人いらっしゃいましたが、ひとしきり身体を洗ってすぐに退出されていきました。
確かに湯加減はいいのですが、湯船は狭いし深いし、とてもリラックスして長湯できる雰囲気でもないのでほどほどで上がります。
もともと観光客向けなどではなく、当時の地元の銭湯ですね。
ちなみに、2階には休憩のための広間と宿泊用の質素な部屋があるとのこと。
温泉を楽しむというよりは、歴史ある伝統芸能に触れるための入浴でした。
温泉、ごっつぁんでした。