きょうはどこへ行こうか

ばるすーでGO!

新清館(大分県玖珠郡九重町)

 本日は、自分史上最高の湯のひとつである筌ノ口温泉のお宿「新清館」へと一泊でやってまいりました。
 筌ノ口温泉の歴史は古く、1600年代からすでに存在したといわれています。そして、こちらの新清館は明治42年の創業。現在の主人は四代目とのこと。

重厚な木造3階建ての本館



 本館と少し新めの別館があり、ひときわ目を引くレトロな本館は大正15年の建築らしいのですが、改修もなされており綺麗なもの。ずいぶん前に一度だけこの本館に宿泊しましたが、ホテルのような快適さはないものの現代の建築では味わえない雰囲気を堪能しました。ただ、階段だけは昔の建築特有の急勾配な造りですので注意が必要。

フロント(左上)と湯上り処にあるビンのコーラ販売機



 今回泊まるのは、別館と呼ばれるコンクリート3階建ての2階の一室。本館より新しいとはいえ、結構な年季ものでエレベーターなし。
 お部屋は6畳半+広縁の造り。冷蔵庫なし、エアコンなし、扇風機あり。
 標高が高いので夏でもエアコンいらずとのこと。今回8月下旬の宿泊ですが、確かに窓を閉めた状態でも扇風機があれば問題ありませんでした。
 窓を開けると、すぐ横を流れる鳴子川のせせらぎが心地よし。

照明は蛍光灯。この宿にLEDは似合わない



 では、さっそくお気に入りの露天へ。
 いつものように脱衣所でいそいそとマッパになり、ガラリと戸を開け至高の湯船を見やると、なんと若いカップルが仲良く入浴しながらテンションアゲアゲ⤴︎

いつもながら最高のロケーションとお湯



 どっこい、こちらは一気にテンションダダ下がり⤵︎

 いやね、確かにここ混浴なんで別にいいっちゃいいんだけど、まぁなんといいますかこっちはやけに落ち着かないんすよね。やたらと気を使わずにはいられないわけです。
 我ら男性はこちらの混浴しか選べない以上避けようもないし、露天風呂まで二人一緒にいる必要あんのかなぁ。

 私を含め数人いた親父たちは、うかつに目線も上げられず、うっかり湯船から立ち上がることもできず(この状況ではモロ出し厳禁)、ただただしんみりうなだれるのみ……。(ちなみに、混浴のすぐお隣にほぼ同じレイアウトとサイズの女性専用露天があるのです。そっちでよくない?)

混浴露天風呂



 いつも立ち寄り湯でお邪魔するときは、次にいつ来られるか分からないゆえについつい長湯をしてしまいますが、今宵は宿泊。あとでまた入ればいいやと、無理せずサッと上がって部屋でゆるりと過ごします。

 しばらく休憩したのち、今度は宿泊者のみが利用できるという内湯へ。

ヘリや床、蛇口に溜まった抽出物を見れば、その凄まじさが分かろうというもの



 お湯は、基本的には露天と同じなのだと思いますが、こちらの内湯の方が成分がやや強めという情報も見かけました。事実かどうか不明ですが、店主にお尋ねすればよかった。

 きょうは週末ですが宿泊者は少ないようで、私を含め2組のよう。まったりとした時間が流れる部屋の中で聞こえてくるのは、清流の音と扇風機のわずかなモーター音のみ。

本館2階の食事処



 午後6時になり、そろそろ夕食の時間。本館2階の食事処へ。
 刺身に茶碗蒸し、馬刺し、天ぷら、きじ鍋。ビールも進みます。

キジ鍋など山の幸がいっぱい



 そして、普段は食べる機会などなかなかないニジマス。川魚のくさみもなく、塩加減もちょうどよい。
 最後は鯉こく。これは初めて食べるかも。
 お米もおいしく、満足の夕食となりました。

ニジマスうまし



 食後は夜の露天へ。さすがに誰もいません。
 ほのかな灯りに照らされる湯船に身を浸し、ただただ湯を楽しみます。
 昼間は木々の間でさえざる鳥たちも、夜はぐっすりおやすみ。
 湧き出る源泉の音を聞きながら、穏やかで贅沢な夜は更けていきます。

夜の露天。ゆっくりとした時間が流れていく



 明けて2日目。
 朝からすこぶる良い天気です。
 陽が上がる前の朝風呂を満喫したあとは朝メシへ。

朝食もモリモリいただいた



 煮物に魚の甘露煮、大根おろし、生卵、味ノリ、味噌汁と朝食らしいラインナップ。小ぶりな茶碗とはいえ、朝から3杯もいただきました。

朝陽を映しこむ水面



 食後は最後の露天風呂へ。
 朝陽を映し込んで黄金色に輝く湯は美しいばかり。目覚めた鳥たちも、心地よいさえずりとともにあちらこちらの小枝を揺らします。
 名残は尽きませんが、そろそろチェックアウト。また伺います。

 温泉と食事、ごっつぁんでした。