ばるすーの福岡ラーメン紀行、今回は名島亭へとお邪魔してみます。
名島亭は1987年、福岡市東区の名島というところで創業したラーメン店。私もインターネットが普及し始めたころ、とても評判がいいという情報を得て実際に食べに行ってみたところ、確かにうまいと感じた記憶があります。
その後、いくつかの支店を出店し、いつしか経営母体も変わり、そして昨年、名島にあった本店は火災に遭い閉店を余儀なくされたようです。今は福岡市内には2店舗が残るのみ(ららぽーと横浜というところにもある模様)。
博多駅内にあるこちら「博多めん街道」は、いつ来てもお客さんでごった返しています。ほとんどのお店で列、列、列。この状態が平日でも午後2時くらいまで続いているという盛況ぶり。並ぶつもりはないので、ほかの用事を先に済ませます。
午後2時を過ぎてやっと列も解消され始めたので、並ばずに入店。まずは入口で店員さんに注文と支払いを済ませます。
本日は、お昼のC定食(ラーメン+半チャーハン)に決定。番号の付いた呼び出し器を渡され、ブルブルと鳴るまでしばし待ちます。
ここでふとレシートに目をやると、なんと! 「カタ0円」などと印字されているではありませんか。
ちょい待ち! さっきの注文のときには硬さ指定なんてなかったぞ?
なんで自動でカタになってんの!
イキって確認に行こうかとも思いましたが、待てよ? この前は粉落としで散々な目にあったから、今度はもう少しソフト目にカタでいってみたらどうなるのか? と思い直し、いい機会だからそのままにしておくことに。
そこそこ待ったところで呼び出し器が鳴動。受取口でトレーに乗った商品を受け取り自席へ。
おや? ラーメンを見るとかつての記憶とずいぶんビジュアルが異なるような気がしますが、あれからかなり時間も経っているのでまずはいただきましょう。
まずはスープ。
ずずず、ずずず。
アレ?
豚骨のにおい、そして味がしない。
濃い薄い以前に豚骨らしさが皆無。なんなんだろ、この感覚。
10数年前、名島亭本店でいただいたあの「朴訥(ぼくとつ)」だけど作り込まれた味わい深いスープはどこへいった? きょうのこれはなんというか、システマティックに「造られた感」満載の大量生産スープのそれ。
ええい、ならば今度は麺。
ズ、ズ、ズルりんぱ。
アレ?
これでカタ? 普通とまったく変わらん。
ただの印字間違い? それともカタでこれ?
まぁ、いずれにせよ結果オーライでヨシ。
それにしてもこの麺、めちゃくちゃ細い。細すぎる!
これはshin shinラーメンとタメはる細さ。もはやラーメン麺ではなくソーメン。これでは麺が本来持っている旨さをまるで感じられない。
最近はこういう極端に細い麺が流行っているんですかね。
最後は半チャーハン。
もぐりもぐり。
アレ?
本来の味付けとは違う、なんとなくおこげのような味がする。
これは本当に残念。
いったいどうした名島亭。何があった名島亭。
スープといい麺といい、すごく凄惨なことになっていました。昔はこうではなかったはず。
せっかくきょうはイニシエ豚骨*1が食べられると思っていたのに、これではイマドキ豚骨*2に当たったとき以上の残念さ。
味は、時代とともに変わるものなのかもしれません。しかし、これほどまでに明後日の方向に急ハンドルを切ってしまうとは。
ただ、これは私見ですが、先に書いたとおり経営母体がラーメンチェーンの一風堂に変わったことが最大の理由ではないかと推察します。伝統の味などというものは、本来の大将が陣頭指揮を執らなくなれば、かくも簡単に消え去ってしまうものなのかと驚きを隠せません。とてもおいしかっただけにつらさ倍増、悲しさ倍増。
さらば、おいしかった名島亭。
ごっつぁんでした。