いつもは大分方面の日帰り温泉にばかり足を運ぶ私ですが、本日は少し趣向を変えて山口県の温泉へと向かいます。
やって参りましたのは下関市豊田町にある一の俣温泉。温泉街という感じではなく、ホテルが二つあるだけのとても静かな温泉地です。
今回お邪魔するのは一の俣温泉グランドホテル。結構年季が入っているようですが、きちんと手入れがされており過不足は感じません。
玄関のボードには本日ご来館の個人や団体のお名前が掲げられており、いかにも昭和な雰囲気。嫌いじゃありません。
入ってすぐの正面にはロビーラウンジと喫茶コーナー。大きなガラスの向こうには、緑豊かな日本庭園が広がります。
湯殿は左奥に進んだ先の別棟のよう。
温泉棟入口には大きく「西日本一の美人の湯」とあります。
ほほう、美人の湯とな。こんなシミと角質だらけのおっさんにも効果はあるのかしら。
脱衣所までは結構な距離があり、畳敷きの廊下を進みます。きれいな畳の感触が素足に心地よい。
さて、クーラーがガンガンに効いた脱衣所で勢いよくマッパになり、いざ浴場へ。
すぐ右手にサウナと水風呂。その先に大きな内湯と岩風呂の露天、さらに露天の奥にはジェットバスが見えます。
かかり湯をして、まずは内湯へザバーン!
うお、確かに入った瞬間、腕や足やボディに湯がまとわりついて、ぬるぬるヌルヌル!
マジか!
ホントにヌルスベです。
還暦手前の老いた肌も、ヌルヌルすべすべ。
お湯は無色透明で、においもほとんどありません。
泉質はアルカリ性単純硫黄泉でpH10、効能は神経痛、リウマチ、筋肉痛、腰痛、疲労、ねんざ、冷え性、高血圧、皮膚病、糖尿病、美肌などなど。
内湯を堪能したのちは露天へ。10人以上はゆっくり入れそうです。
景観はすぐそばの緑の山肌が見えます。遠景が見られないのは少々残念なところ。
そしてジェットバス。
立った状態で腰まである結構な深さ。椅子状になっているところに座って使うようです。
あれ? さっきまで泡がブクブクと出てたんだけどなくなってるな? いったいどうした? スイッチでもあるのか?
キョロキョロしていると、ありましたよスイッチが。
丸いボタンをオン!
シュゴゴゴゴ!
うおー、腰とふくらはぎと足裏のあたりに強めのジェットが当たります。
周りに誰もいないし、体勢を変えてSiriに直接噴射しようかと思いましたが、バカなことはやめておきました。
ラストは露天に設置してある打たせ湯。
なんでも数年前にテレビのバラエティ番組「ナニコレ珍百景」で認定されたという代物。打たせ湯として認定されたくらいですから、おそらくその勢いがすごいのだろうと想像はつきます。
見れば青竹を模した凶悪そうな極太の配管が2本、天に向かってそそり立っています。
そして、さぁ押せ! 今すぐ押すんだ! と言わんばかりに丸いスイッチが。
配管に背を向ける体勢で、よっしゃ! スイッチオン!
ごごご......、わずかな作動音がしたかと思うと、
ブシャアアアアアア!
んががががっ!
打たせ湯のレベルをはるかに超越した怒涛の水流!
悪いことにこれが体の少し前方に当たったせいでそのまま後ろに勢いよく引き倒され、後方の大岩に頭を強打しそうになるのを脆弱な腹筋をフル稼働させ、すんでのところで回避。
なんという勢い!
なんというパワー!
のどかな温泉で流血の惨事を引き起こすところでした。
こちらがすごいのは、ほとんどのお宿の日帰り入浴がお昼前後の開始なのに、朝の8時から空いているところ。入浴料が大人1,150円と少々お高めなのが玉にきず。
明治時代末期に、地元の人々によって掘り当てられたという湯量豊富な一の俣温泉。泉質の良さには定評があり、「にっぽんの温泉100選」にも選ばれているそう。
温泉ごっつぁんでした。