きょうから明日にかけては、この春まで同じ職場で苦楽を共にした仲間4人と一泊旅行。宿泊先は、日本一の温泉県である大分県は別府市です。
野郎ばかりで観光もクソもありませんが、目的地直行も味気ないので、まずは道中にある観光地に向かいます。
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やってまいりましたのは、大分県豊後高田市にある熊野磨崖仏(くまのまがいぶつ)。個人的にいつか行ってみたいと常々思いながら、なかなか実現しなかったところです。
麓の駐車場にクルマを停め、そこから先はひたすら徒歩。
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距離にしておよそ300メートルですが、ずっと上りが続きます。途中からは鬼が一夜にして積み上げたという言い伝えが残る険しい石段を登りますが、これがなかなかにハード。ちなみに、受付で木製の杖を無料で貸してくれます。
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途中、立ち止まって休憩をとりながら、ゆっくりと進みます。
不規則に組まれた石段は、両脇に据え付けられた手すりの助けを借りながら、一歩また一歩と登って行きます。
背中にじわりと汗をかきながら、登ることおよそ15分。険しかった石段が終わり、急に視界が開けたかと思うと、目の前には岩壁に彫られた大きな2体の石仏が。
おお、これが熊野磨崖仏か。
なんというスケール。
これは素晴らしい。
左に位置するのが、12世紀頃(鎌倉時代前期)の作と言われるおよそ8mの「不動明王」。
それより少し小高いところの右手に位置するのが、11世紀頃(平安時代後期)の作と言われているおよそ7mの「大日如来」。ともに国の重要文化財に指定されている国内最大級の磨崖仏です。
2体とも作者は不明。
残念ながら不動明王のお顔の辺りに植物が生い茂っており、除去について地元自治体が検討中とのこと。重要文化財だけに簡単に伐採というわけにもいかないようです。
印象的だったのは、不動明王像でありながら憤怒の表情ではなく、どこか柔和な顔つきだったこと。
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ここからさらに登ると熊野神社があります。かつては熊野権現と称される神仏習合の霊場だったそうです。
山奥の凛とした空気と鳥のさえずり、高い木々の間から差し込む優しい木洩れ陽たちが、日常の喧騒をしばし忘れさせてくれるひとときでした。